木喰仏

寛永寺と木食

但唱が芝に建てた如来寺は、寛永16年(1639年)正月に寛永寺の末寺となり、4月には青色直綴衣の着用許可書が出されます。いずれも天海から但唱に宛てた手紙が残っています。こうなるまでの経緯を知りたいものです。 田中圭一さんの著書『地蔵の島・木食の島…

京都の二つの蓮華寺(1) 御室の蓮華寺

蓮華寺(右京区) 12月の京都行でもおじゃました御室の五智山蓮華寺を再訪しました(前回の記事はこちら)。『徒然草』でときどき笑い話の中に出てくる御室の仁和寺の隣にある小さなお寺です。この前は五智如来像にばかり気をとられて、後ろの列をよく見なか…

伊那谷の但唱(2) 大田切山の争い

駒ヶ根市のサイトに地蔵平のお地蔵さんが紹介されていて、「寛永8年末当所大田切山に山居し給うに、近郷と争論が起こり修行のさわりと思し召し上穂の傍らへ下らせ給」とのことで、但唱が争論に巻き込まれてはいけないと、上穂の倉田氏の寄進によってふもとの…

伊那谷の但唱(1) お地蔵さん

駒ヶ根市のサイトに但唱作のお地蔵さんが紹介されています。駒ヶ根市は西に中央アルプス、東に南アルプスがそびえ、諏訪湖を源流とする天竜川に沿って南北に広がる伊那谷にある町で、その名のとおり駒ケ岳のふもとにあります。 地蔵平のお地蔵さん 地蔵平の…

『江戸名所記』より「芝大仏」

『東海道名所記』を著した浅井了意の『江戸名所記』(寛文2、1662年)「芝大仏」の章を読んでみましょう。【 】ルビは朝倉本によるもの。( )および脚注はブログ主によりますが、素人が調べてわかりえた範囲で書いていますので、正確ではないかもしれません…

『東海道名所記』に但唱上人

日本の古典文学を研究されている方のサイトでみつけました。江戸時代初期の仮名草紙である『東海道名所記』というガイドブックに但唱の名前が出てくるようです。Taiju's Notebook 『竹斎』『東海道名所記』について 仮名草子は、慶長年間(1596-1614)以後、…

そうか、京都に行こう。 3日目 (6)「蓮華寺」

「龍安寺」と「仁和寺」という世界遺産の間で、隠れ蓑を被っている寺「五智山 蓮華寺」(真言宗御室派 別格本山)。そこいらのガイドブックにゃ載ってないマイナーな寺だけど、私たちの京都の旅、第一の目的であったりする。(私の第一の目的は伏見の「石峰寺…

そうか、京都に行こう。3日目 (4)嵯峨「広沢池の千手観音」

バスで嵯峨に向かう。知る人ぞ知る隠れた名所、いや、地元の民と石仏マニアぐらいしか知らないであろう広沢池。(上記の写真は川辺の鳥の成る木) 水がない!? 干上がっている。どうしたことか。 「広沢池」 この池は宇多天皇の孫に当たる寛朝僧正が平安時…

木食の系譜

木食(作仏聖)の系譜 1弾誓 | 2但唱 | 3閑唱 3長音 3林貞 | 4空誉 4清眼 4清念 4説難 | 5明阿 5音阿 | 6法阿(山居)

但唱上人年表

但唱上人が修行をしていたのは、佐渡で10代から20代、北信濃で20代後半から40代前半、富士山麓(これが「浅間山」)で40代半ば、そしてまた南信濃に来ていますから、信州にいらした時期がたいへん長いです。なお、那智三山で修行したという話もありますが、1…

「大井に大仏(おおぼとけ)がやってきた!」展

前から楽しみにしていた品川歴史館の特別展「大井に大仏がやってきた!―養玉院如来寺の歴史と寺宝―」にいってきました。 品川歴史館はJR大森駅より北へ徒歩10分、東海道沿いにあります。大森といえば、貝塚ですよ。 大田区の大森貝塚です。某電話会社の敷地…

但唱上人メモ(5) 安性寺ご本尊、東京へ行く

9月24日にご紹介した品川歴史館の特別展に、駒ヶ根市の安性寺のご本尊が貸し出されることになり、出展のための撥遣(はっけん)法要が営まれたというニュースです。長野日報 2013.10.3 http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=29588 …

但唱上人メモ(4) その他の地域に残る記録

静岡県駿東郡小山町 須走浅間社の千体仏 小山町観光協会 須走浅間社地阿弥陀堂 千体仏像(但唱作)大雲院に現存 御厨観音横道第6番札所 御殿場市杉名沢 天然寺の阿弥陀三尊 御殿場市文化スポーツ課 天然寺の本尊の阿弥陀三尊は、仏師但称(たんしょう)の作…

但唱上人メモ(3) 五智如来

江戸の五智如来像 但唱上人は信州での木食修行ののち、江戸の芝に如来寺を建てました。ここに安置された五智如来像が「芝の大仏(おおぼとけ)」として有名になりました。 東京都品川区西大井 帰命山養玉院如来寺 帰命山養玉院如来寺 如来寺は寛永(1624-44)…

但唱上人メモ(2) 信州の但唱上人

もっと知りたい、但唱上人のこと。 須坂の奇妙山で木喰修行をして、亀倉の萬龍寺の千体仏や塩野の六地蔵石幢を作った但唱上人とはどのような方だったのでしょうか? 但唱 たんしょう コトバンク ?−1641 江戸時代前期の僧、仏師。 天台宗。弾誓(たんぜい)に…

但唱上人メモ(1) 品川歴史館特別展

但唱上人について調べていたら、こんな企画展をみつけました。 特別展「大井に大仏がやってきた! 養玉院如来寺の歴史と寺宝」 品川歴史館 特別展「大井に大仏がやってきた! 養玉院如来寺の歴史と寺宝」 会期:2013年10月13日(日)〜12月1日(日) 旅する…

亀倉の萬龍寺

霧の中の山道をうねうねと100km近くは走ったでしょうか。目的地にはたどり着けず、お蕎麦も食べられず、私たち、一体何をしているのかしら……。そんなときに破れ笠のお地蔵さんが現れました。 四隅の地蔵 萬龍寺領の四隅に安置された地蔵尊で、萬龍寺を開山し…

塩野の六地蔵石幢

「おいしいお蕎麦屋さんがあるんですって」ということで、うろ覚えの店名をネットで検索して探しました。ところが、見つかったのは「休業中」の看板。近くのコンビニで聞いたところ、1年前から休業しているそうです。そこで、別のお蕎麦屋さんを紹介してもら…