但唱上人メモ(4) その他の地域に残る記録
御殿場市杉名沢 天然寺の阿弥陀三尊
天然寺の本尊の阿弥陀三尊は、仏師但称(たんしょう)の作といわれています。
杉名沢区文化財保存会の案内板より
富谷山佛性院 天然寺
天然寺は、江戸は芝増上寺の末寺として、寛永元年(1622)年に遊行僧佛性院但唱により建立された(「駿河国新風土記」)。中には但唱作といわれる阿弥陀如来と薬師如来が祀られている。
御殿場市中畑 善龍寺の条六阿弥如来立像
向雲山 浄心院 善龍寺
開山:正蓮社念誉真公上人
寺宝:本尊阿弥陀如来座像(慈覚大師作) 石仏阿弥陀如来座像(鎌倉時代)条六阿弥如来立像(但唱作) 降摩像(ネパール) 旧本尊(雲慶作) 他
神奈川県真鶴町 如来寺洞窟の石仏群
岩海岸大浦の一角に、廃寺、帰命山如来寺の洞窟があります。通称、岩の赤石・赤馬石と言われる岩盤を掘り進めた、地獄・間道・極楽は岩肌も荒々しく薄暗く、閻魔大王を初め十王像や奪衣婆(だつえば)が並び業の秤や善悪人頭杖(にんずじょう)が置かれ不気味な感じに襲われます。この如来寺は、元和六年(1620)月山和尚が建立し、本尊阿弥陀如来石仏は但唱の作で、境内には石室(洞窟)があり十王及び聖観音と地蔵の石仏があると新編相模国風土記稿に書かれていますが、岩村明細帳では、寛永十八年(1641)月桂和尚が開山で、本尊は同じく但唱となっています。また亨保十年(1725)の如来寺財産目録に、本尊弥陀は今まで通り安置され、但唱が一夜で仕上げた観音石仏は岩穴に置かれ村人が百万遍の数珠を廻して念仏していると書かれています。なお、如来寺の建立当時を物語ると思われる覚仏や万霊塔などの石造物が洞窟の入口にあります。