但唱上人メモ(5) 安性寺ご本尊、東京へ行く

 9月24日にご紹介した品川歴史館の特別展に、駒ヶ根市の安性寺のご本尊が貸し出されることになり、出展のための撥遣(はっけん)法要が営まれたというニュースです。

長野日報 2013.10.3
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=29588

駒ケ根の安性寺本尊、東京で公開 品川歴史館特別展で公開

 駒ケ根市中割の安性(あんしょう)寺の本尊・阿弥陀如来坐像が、13日から東京・品川歴史館で始まる特別展で公開される。江戸時代初期、万民救済のために2万体作仏の誓願を果たした木食但唱上人が彫った木像で、「旅する作仏聖(さくぶつひじり)」とも呼ばれる名僧の足跡をたどる展示物の一つに選ばれた。

 安性寺の阿弥陀如来坐像は1631年、同寺の開創に併せ但唱上人が刻んで安置したと伝えられる。高さは約120センチ。童顔で笑みをたたえ、頭が大きいのが特徴で、施されていた金箔(きんぱく)が体のところどころに残っている。同寺は1880年に火災に遭ったが、本尊は檀信徒らが持ち出し、焼失を免れた。

 但唱仏は但唱上人が布教に歩いた地域に残るが、その多くが石像。品川歴史館の湯本幸子学芸員は「お顔の形、体つきなど但唱のものに間違いない。木造で現存するものは数少なく、ぜひ公開したいと考え、貸し出しをお願いした」と説明した。

 特別展は「大井に大仏おおぼとけ)がやってきた! 養玉院如来寺の歴史と寺宝」がテーマで、養玉院如来寺(品川区西大井)の寺宝を紹介し、如来寺を開山した但唱上人の足跡をたどる。区立品川歴史館展示室で12月1日まで開かれる。

 出展のための撥遣(はっけん)法要は2日、同市の飯田実雄安楽寺住職と今年 安性寺住職に就任した飯田英心安楽寺副住職が行い、本尊の魂を抜いた。阿弥陀如来坐像は同日品川に送られた。総代会長の倉田琳之さん(77)は「それほど立派なものだとは思ってもいなかった。世に出て、一段と箔(はく)が付いて帰ってくれば、皆さんの信仰心が変わってくると期待している」と話した。

 法要で魂を抜いて、体だけ貸し出すんですね。


駒ヶ根市 安性寺 阿弥陀如来坐像(品川歴史館特別展