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大笹街道の三十三観音霊場

[2013年10月13日のつづき]


 仁礼宿を通り過ぎると宇原川にかかる宇原橋があり、その橋を渡る手前の道を左に折れ、宇原川の河原で一休み。川沿いには桜並木があります。花見時は格好の憩いの場になるんだろうなぁ。


 ふと振り向くと石仏がありました。それらしき看板は見当たらなかったのですが、ここが大笹街道の入り口のようです。この宇原川沿いの道を上っていけば、石仏が点在し、洞穴があり、大谷不動尊の黒門があるはずです。


 「どこでもドア」を発見! その扉の向こうには、異次元空間が待っているかもしれません。怖いので写真だけにしときましょう。


 まずは車で行ける最終地点、大谷不動尊の黒門を目指します。道端にはところどころに石仏があり、その度に車を降り、写真に収め、また車を走らせ、石仏発見!→停車→撮影→走行→石仏発見!…、この過程を繰り返しながら山道を登っていきました。


 西国二十二番、慶応二年の文字が見えます。


 しばらく行くと、右手に広場がありました。小さな祠と小高い丘の上に一番の観音様。初めからこの石仏群の番号は順不同で、この場所に一番があるとは。


 最初の目的地「石小屋洞穴」に着きました。車道の左に大きな岩が突き出しており、2、3mほど階段を下ったところに穴の入口があります。

史跡 石小屋洞穴 (須坂市教育委員会指定)
 この洞穴は縄文草創期以来各時期に渡り使用されてきた狩猟のためのキャンプ地である。昭和31年と38年に調査が実施されて、日本最古唯一の完型土器である微隆起線文土器をはじめ、縄の側面圧痕文土器、爪形文土器その他重要な遺物が発見されている。穴の高さ1.3m、奥行き3m、入口幅約3mである。


 洞穴から上がってきたところにクマ除けベルがあることに気づきました。「仁礼山は自然の豊かな山で、時季によりクマが通ります。このベルを鳴らして人がいることを知らせて散策をお楽しみください」。鐘を鳴らしてから洞穴への階段を下れという指示のようです。でも、車道の左側に大きな岩が現れたら、当然、そこに車を横付けしたくなりますよね。車から降りると、岩の右から下る階段しか目に入りませんから、そこから下りて、洞穴前をぐるっと回り、反対側の階段から上がってくるようになります。つまり、車のおしり側に出てきますので、いまさらここで「クマ除けベルを鳴らせ」と言われても遅いよ、という感じです。

 「もうすぐ大谷不動尊の黒門があるはずだね」と走っていたのですが、なぜか見つかりません。黒御影石でできた立派な黒門で、黒門公園という広場もあるみたいなのに。少なくとも車道沿いではないようです。左に入る砂利道に、大谷不動尊参道入口の道標はありましたが、赤いスズランテープが張られて「入山禁止」の貼り紙がしてありました。「キノコとるな。ただし大谷不動尊と大笹街道にいく人は入ってよし」といったことが書いてありますが、通せんぼしている赤テープをくぐって入る勇気はありません。ちょっと覗いてもただの野原しか見えませんでしたので通り過ぎてしまいました。やっぱり、あのテープの奥にあったのかもしれないな…と思いながら車を走らせました。引き返すか、それとも峰の原まで行って下りの道で石仏を探すか。そうこうしているうちに、グネグネ道をかなり登ってしまいました。私たちは後者を選択しました。


 そこはスキー場あり、ペンション村あり。お山に来たなぁという感じです。北アルプスが一望できます。右の峰の原スキー場のゲレンデには木々がお行儀よく影を並べています。


 須坂青年の家の前の道が西側に開けていて、「サンセットテラス」という展望スポットになっています。標高1,530m。槍ヶ岳に夕日が沈むのは11月と2月だそうです。雪がなければ来てみたいんですけど。


 さあ、大笹街道の入り口を探しましょう。地図では菅平グリーンゴルフ場の近くにあるはずですが、見つからず。ゴルフ場の人に聞いてみても、「根子岳はこっちの方角だから、この辺かなぁ…」と頼りない返事です。でも、言われた場所に本当に案内板がありました。最終地点の供養塔から参拝することにしました。


 参道入口のようですが、幅50cm足らずの道らしくない道。本当にここなのかと思いながら歩いていくと石仏がありました。ほっ。


やっと出会えた観音様。


ここにもいらした観音様。


 雲一つない秋晴れに白い月。最後の供養塔がみつからず、菅平牧場まで来てしまいました。


 あれ、このまま行くと根子岳に行っちゃうよ……


 少し戻ると左に入る道があり、進んでいくと目指す供養塔がありました。


供養塔とその隣にいらっしゃる千手観音様。

 供養塔と石仏
 この供養塔は大笹街道で遭難した人馬供養のために建立されたものである。ここから仁礼宿に至る大笹街道には人馬の安全供養を念願して建てられた石仏が今もなお30数体昔の面影を止めている。

 先ほどの案内板まで戻り、今度は「大笹街道・仁礼方面」に向かいました。入ってすぐに小さな観音様がお迎えしてくれています。

わーい!観音様がいっぱい!

 菅平高原に接する峰の原高原は標高1,500m以上もありわが国でも有数の寒冷地である。積雪は水分の少ない雪なので、わずかな風でも舞い上がり移動する。この峠の雪道は微風でも雪の中で埋もれて旅人は道を見失った。これに対して考え出されたものに「土手道」がある。高さ1m〜1.5mほどに盛土がしてあるので、降雪は強い風に飛ばされて余り積もらないので人馬は歩きやすい。このような土手道は峰の原と菅平にしか見られない貴重な歴史遺産であるといえよう。
             須坂教育委員会・財団法人仁礼会


 いよいよ他に類例のないと言われる「土手道」に来ました。だけど、熊笹におおわれ土手道は隠されてしまっています。当時の旅人の気持ちを知ろうと、熊笹をかき分け歩いてみました。


この熊笹の中に観音様が見え隠れしています。


こんな感じの丸太橋を幾度か渡りました。


苔むしちゃっている観音様。


大笹街道はその名の通り大笹に埋もれていました。


だんだんと藪の中に入っていきます。日の暮れる前に安全な場所に戻らなくては。熊にも猪にも「こんにちは」したくないから。名残惜しいのですが、この辺りで引き返すことにしました。


名乗り忘れていましたが、ボクは志賀高原ゆるキャラ「おこみん」と申します。どんぐりの帽子と緑のバンダナがキュートでしょ。志賀高原の妖精って言われてるけど、何だか照れちゃうな。これからご主人様がいろんな所連れてってくれるんだって。楽しみだな!


先ほどのサンセットテラスに戻ってきました。おぉ、見事なサンセット!


この美しい夕陽を見ながら帰路についたのでした。 完。



より大きな地図で 大笹街道(宇原川〜峰の原) を表示