長楽寺の朝の勤行

 7時から長楽寺本堂で朝のお勤め。緩い坂を10分弱歩いて行くと山門が見えてきた。

 

 

 一人一人にふり仮名付きの経本が渡され、住職と共に読経をする。唯一知っている般若心経を省かれてしまったが。懺悔文、観音経の偈、念彼観音力(ねんぴーかんのんりき)を幾度か繰り返すお経。観音様の力を信じ念ずれば必ず観音様は助けに来てくださる。たとえ火の中水の中、高い山から突き落とされても、呪われても、毒を盛られても、悪鬼に出くわしても、毒蛇ににらまれても、様々な苦しみが身に迫っても、観音様を信じ念ずれば必ず観音様は助けてくださる、というもの。ここでいう火・水・悪鬼などは現世での苦・煩悩を現す。)内容は知っていたが読経となると必死にふり仮名を追いかけていた。般若心経なら唱えられるのに。あと、リズムの記号が付いた経もあった。題目は失念してしまったが。今まで経験した朝勤行は聞いているだけだったが、ここでは声に出し唱えるという初めての経験をさせてもらった。ちょっとうれしい。

 

朝勤行の後は、住職自ら境内の案内をして下さった。

 

「平安の滝」の説明を受ける一同。住職が指さすその先は…

 

すっかり石垣と同化してしまっている石仏群。説明を受けなければ見落としてしまいそう。

 

収蔵庫も見学。慶派大仏師作の7体の遊行上人(時宗の祖、踊念仏一遍上人など)、壇ノ浦の戦いで敗れた平家、平清盛の娘建礼門院(後、こちらの寺で出家された)は我が子安徳天皇と共に入水したが助けられ、安徳天皇が今わの際まで召されていたという形見の直衣、上人の絵などの寺宝の数々。

 

 

相阿弥が銀閣寺庭園の試作として造園されたと伝わる築山の庭園。紅葉の時期は真っ赤に染まるんだろうな。京の隠れたる名所と書いてあるし。

 

江戸時代の文人、頼山陽「京の四季」より

時雨をいとうから傘の 濡れてもみじの長楽寺

 

 

宿坊に戻ると大黒さん(僧侶の妻)手作りの美味しい朝粥が待っていた。