調布さんぽ(3) 布田天神
布田天神は毎月25日に天神市が立つそうですが、今日はたまたま骨董市が開かれていました。
江戸名所図会ではこう紹介されています。
大正寺の3つの寺の1つが別当でした。また、「当社祭神詳らかならず」ですから、『延喜式』の当時は天神ではなかったのですね。
布多天神社は、延長5年(927)の『延喜式神名帳』に載る古社で、式内多摩八座のひとつです。
もとは多摩川近くの古天神といわれる地(現・古天神公園)にありましたが、文明9年(1477)に多摩川の洪水を避けて遷座し、そのときに御祭神少彦名命に菅原道真公を配祀したと伝えられています。
縁起によれば、桓武天皇の延暦18年(799)に中国から木綿の実が渡ってきましたが、布に織ることを知りませんでした。そのころ多摩川の近くに住む広福長者という人が天神社にこもって神のお告げを受け、木綿の布を織り、多摩川に晒して調えた白布を朝廷に納めました。これがわが国の木綿の初めといわれ、天皇はこの布を調布(てづくり)と名づけ、この地を調布の里と名づけたといいます。後にこの布が国中に流布され、調布の神社を布多天神社と改めたと記されています。
平安時代に調布で初めて木綿が織られたのですね。租庸調の調です。