洛陽三十三観音巡礼 今出川通 ㉙㉚㉛㉝
㉛ 「朝日山 東向観音寺」
そう此処は、菅原道真公を祀る北野天満宮。この天満宮の境内に札所のお寺があるのです。
三十一番の札所「真言宗泉涌寺派準別格本山 朝日山 北野東向観音寺」。
「天満宮御本地佛」「十一面観世音菩薩」「白衣観世音菩薩」「岩雲辨財天」などなど。
明治時代の廃仏毀釈で天満宮や神社などの仏教寺院は、移転・廃絶の憂き目をみたが、この東向観音寺は皇室とのゆかりの深い泉涌寺の末寺であったため、特別に配慮され、当地に残ったそうだ。
堂内は撮影禁止のため、絵馬しか撮ることができません。御本尊は秘仏で25年に一度の御開帳。次回は2027年とのこと。
こちらは白衣観世音の絵馬。
㉚ 椿寺こと 「昆陽山 地蔵院」
三十番の札所「浄土宗 昆陽山 椿寺 地蔵院」。
寺名の由来となった「五色八重散椿」。豊臣秀吉が北野大茶会の縁で献木したといわれ、一般の椿のように花が丸ごと落ちるのではなく、花びらが一片一片散り行くので「散り椿」。しかも五色で八重。見てみたいものである。樹齢400年の一世は昭和58年惜しくも枯れてしまい、現在は樹齢120年の二世が本堂前に植えられている。3月下旬から4月中旬が見頃だそうだ。
地蔵堂のお地蔵様。綿帽子をかむっています。別名「鍬形地蔵」。強欲で乱暴な農民が地蔵の化現である僧を傷つけたことで心を入れ替えたという伝説のあるお地蔵様です。
観音堂の御本尊の御前立。御本尊はお正月の三が日とお彼岸と8月の地蔵盆に御開帳されるそうです。
㉙ ひょうたん寺こと「真言宗善通寺派 福勝寺」
二十九番の札所「真言宗善通寺派 福勝寺」。
ひょたん寺?
門は常時閉ざされており参拝者は西の入り口から入る。唯一、2月3日の節分会の時だけ賑わいを見せるという小さなお寺。この日祈祷されたひょうたん授与が行われる。
㉝ 最後の札所 「清和院」
三十三番の札所「真言宗智山派 清和院」。
まだ途中だが最後の三十三番札所に来てしまった。収納庫兼、本堂のシックな漆喰の蔵。
極彩色の御本尊「玉体地蔵菩薩」は秘仏で厨子の中にいらっしゃるが、これが重要文化財に指定されており、温度調節・空調設備を整えなければいけないのでこのような形で祀られているのだろう。重文に値する仏像であってもこの設備を整えることができず申告を見送っているお寺がいくらでもあるそうだ。こちらのお寺はそれなりの財力があるのだろう。(勝手に推理)
中央の御前立のお地蔵様。右手にハンドバックを持っているように見えるのだが…。そんなわけないよねぇ。
向かって右に阿弥陀三尊と観音様。左には大黒天と吉祥天と不動明王かしら? 観音巡礼の観音様は九州国立博物館に所蔵されていて、此処には写真が一枚飾られているのみです。