大原さんぽ(2) 寂光院
寂光院は、推古2年(594)、聖徳太子が御父用明天皇の菩提を弔うために建てた、たいへんに古いお寺です。
寂光院への道
絵馬は建礼門院とご本尊のお地蔵さん。
本堂に上がると、まずはご本尊の左手に結ばれた五色の紐をそっと持ってお参りしてくださいと指示されます。それから、壇ノ浦で滅亡した平家一門と、我が子安徳天皇の菩提を弔い、終生をこの地で過ごされた建礼門院徳子の悲しい物語をお聞きします。近所の方が差し入れた漬物を建礼門院はたいへんに気に入り、紫の葉で漬ける紫葉漬け(しばづけ)と名づけたそうです。
堂内撮影禁止のため、パンフレットよりご本尊の写真をお借りします。とても大きなお地蔵さんなので、中で撮っても、たぶんフレームに収まらないだろうと思います。
秀頼が寄進した南蛮灯篭。
雨が上がり、屋根から湯気が昇っています。
汀の池
諸行無常の鐘
左手奥は苔庭です。
建礼門院御庵室跡
受難と再興
平成12年5月9日未明、寂光院は心無い者の放火により、桃山時代に建立された三間四面の柿葺本堂はひとたまりもなく灰燼に帰しました。堂内には鎌倉時代に制作された本尊地蔵菩薩立3000余体の小地蔵菩薩像(共に重要文化財)、および建礼門院像・阿波内侍像が安置されていましたが、すべて焼けてしまいました。ただ、本尊地蔵菩薩像様だけは本堂の屋根がすべて崩れ落ちた中で、全身を焦がしながらも朝日を浴びて凛として尊く屹立しておりました。……
聖徳太子発願以来ともいうべき未曾有の受難を乗り越え、1400年の法灯を未来永劫に伝えんとともに、ここに寂光院の安穏と万民豊楽・世界平和を深く祈念するものであります。
琵琶
焼損したご本尊の胎内からたくさんの小さなお地蔵さんが出てきたそうです。
茶室のあるお庭へは入れませんが、この門がいいんです。