尾張甚目寺

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 早起きして甚目寺観音に行きました。

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レトロな街並み。現在はあま市ですが、商店街のアーチにあるように、もとは甚目寺町といいました。

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 すぐに甚目寺の東門。石仏がたくさん並んでいます。

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 四国八十八か所巡りです。しろねこさんを起こしてしまいました。

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 本堂。こちらのご本尊は聖観音さんです。「高さ一尺一寸五分の秘仏であり、本堂に安置される十一面観音像(50年に1回開帳の秘仏)の胎内仏である」ということなので、おいそれと拝観することはできません。

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 ところが、「善光寺如来特別開帳」だというではありませんか! これはぜひ見たいものです。まだ7時台だというのにお守り授与所にはおじさんがいて、「あの…中に入れますか?」と聞くと、「どうぞ、どうぞ、案内しますよ」ということで、いろいろとお話を伺うことができました。

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 「昔、甚目寺の仁王門の前はすぐ海でした。推古天皇の時代に漁師の網にかかったのが聖観音さんです。推古天皇は子どもの頃は体が弱く、甚目寺に預けられて元気になりました。なので、『鳳凰山』というのは推古天皇由来なのです。」

「仁王門はご覧になりましたか?」(「まだです」)「あとでぜひ見ていってください。門を寄進したのは源頼朝です。戦勝祈願して、帰りに立てたそうです。」

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仁王門

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 「仁王さんは3.5mもあって立派です。運慶の弟子が彫りました。仁王さんを解体修理したときに、中から出てきたのが作者と寄進者の名前で、仁王さんは福島正則が作らせたものでした。」

 仁王像は平成20年(2008)から解体修復され、平成23年、福島正則生誕450周年に、仁王像修復記念「甚目寺観音展」が開催されました。下の写真は展覧会の図録からです。

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仁王阿形像 桃山時代 慶長2年(1597)[図録]

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仁王吽形像 桃山時代 慶長2年(1597)[図録]

 

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江戸時代 甚目寺参詣曼陀羅 寛文12年(1672)[図録]

甚目寺がもっとも隆盛だった頃は、600人の僧侶がいたといいます。」

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「さて、甚目寺と善光寺さんの関係は秘密にされてきました。武田と上杉が川中島で戦って、どちらも勝たなかったけど、優勢な方が善光寺仏を自分のところへ持って帰ります。戦利品の中でもいちばん大事なものだから。」(「甲斐善光寺ですね」とあいづち。)「信玄の死後、織田信長は善光寺如来を岐阜に迎え、守り本尊としていました。本能寺で明智光秀に謀反を起こされ、割腹して火をかけたけど」(殺されていない、あくまで自害したということね)、「その際に、本尊はひそかに信雄によって持ち出され、甚目寺で2年ほどお預かりしました。」

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 「そういうご縁で、甚目寺でも御開帳をしています。」

 本堂の裏に回ると、確かに一光三尊像がありましたが、向かって右の脇侍がいません。「聖観音さんは展覧会に出張しています。」

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お地蔵さんを祀る六角堂。

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三重塔。愛染明王が祀られています。

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展覧会の準備中に発見された愛染明王の胎内仏。合子(ごうし)という丸い玉の中におられました。

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たいへん鮮やかな色のまま保存されていました。修復後はまた胎内に戻したのだそうです。

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