新宿山ノ手七福神 太宗寺(布袋和尚)

 浄土宗 霞関山太宗寺(たいそうじ)

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 新宿2丁目にある太宗寺は、慶長年間初頭の1596年頃に僧太宗の開いた草庵を前身とし、のちの信州高遠藩主内藤家の菩提寺として発展した寺院です。

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  銅造地蔵菩薩坐像(東京都指定有形文化財

 江戸時代に、江戸の出入り口6か所に造立された「江戸六地蔵」のひとつです。銅造で像高は267cm、正徳2年(1712)9月に江戸六地蔵の三番目として甲州街道沿いに造立されました。

 「江戸六地蔵」は、深川の地蔵坊正元が病気平癒を地蔵菩薩に祈願したところ無事治癒したことから、京都の六地蔵にならって、宝永3年(1706)造立の願を発し、浄財を集めて、江戸市中6か所に地蔵菩薩を1躯ずつ造立したものです。

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 閻魔堂。格子戸の白いボタンを押すとライトが1分点灯します。

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 大きい! 都内最大の閻魔さんで、木造で550cmもあります。文化11年(1814)頃製作。「内藤新宿のお閻魔さん」として信仰を集めました。弘化4年(1847)には酔っ払いが閻魔さんの目を取る事件があり、錦絵になって江戸中の評判になったそうです。

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 奪衣婆さん! 木造240cm。明治3年(1870)製作。「しょうづか(葬頭河)の婆さん」と親しまれていました。三途の川で衣をはぐところから、内藤新宿の妓楼の商売神として信仰されたそうです。恐い、恐い……

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 不動堂。閻魔堂の向かいにあります。

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 三日月不動像(新宿区有形文化財)と山の手七福神の布袋さん。

 お不動さんは額の上に銀製の三日月を戴き、天窓から光があたるようになっています。江戸時代、高尾山薬王院に不動像を奉納するために運ぶ途中、休憩で立ち寄った太宗寺で動かなくなったため、こちらにお堂を建てておまつりしたそうです。

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 塩かけ地蔵さん。塩をもらって患部に塩を塗り込むとおできが治るそうです。そして、治ったら塩を倍にしてお返しするのだとか。

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 布袋和尚は中国に実在した禅僧です。布の袋を背負い、この中に福財が入っていたといわれます。