北信濃十三仏霊場(総集編)
「十三仏参り」について
初七日から三十三回忌に至るまで、十三回の追善供養には、それぞれ諸仏、諸菩薩さまがお守り本尊として見守っておられます。そのお導きをいただいて真の成仏を願うのが「十三仏参り」であるといわれています。
北信濃十三仏霊場
長野市松代、同若穂、須坂市、小布施町、中野市の十三ヶ寺は、すべて千曲川の東にあります。一日で回るのはさすがにたいへんなので、何回かに分けて回りました。
初七日 | 第一番 | 不動明王(ふどうみょうおう) | 米子瀧山 不動寺 | 須坂市 |
二七日 | 第二番 | 釈迦如来(しゃかにょらい) | 陽光山 玄照寺 | 小布施町 |
三七日 | 第三番 | 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) | 間嶂山 盛隆寺 | 中野市 |
四七日 | 第四番 | 普賢菩薩(ふげんぼさつ) | 圓覚山 広徳寺 | 長野市若穂 |
五七日 | 第五番 | 地蔵菩薩(じぞうぼさつ) | 龍燈山 清水寺 | 長野市松代 |
六七日 | 第六番 | 弥勒菩薩(みろくぼさつ) | 龍潭山 明徳寺 | 長野市松代 |
七七日 | 第七番 | 薬師如来(やくしにょらい) | 浄瑠璃山 浄光寺 | 小布施町 |
百ヶ日 | 第八番 | 観音菩薩(かんのんぼさつ) | 妙徳山 高顕寺 | 須坂市 |
一周忌 | 第九番 | 勢至菩薩(せいしぼさつ) | 心照山 浄念寺 | 須坂市 |
三回忌 | 第十番 | 阿弥陀如来(あみだにょらい) | 越智山 蓮台寺 | 長野市若穂 |
七回忌 | 第十一番 | 阿閦如来(あしゅくにょらい) | 菅相山 梅松寺 | 小布施町 |
十三回忌 | 第十二番 | 大日如来(だいにちにょらい) | 馬陰山 蓮生寺 | 須坂市 |
三十三回忌 | 第十三番 | 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ) | 高井山 南照寺 | 中野市 |
某寺の住職によれば、四国八十八ヶ所巡りをしたところ、多くの寺が秘仏扱いで、ご本尊を拝める寺が少なかったことから、北信濃十三仏霊場ではかなりオープンにしているということです。拝むことはできるが写真はNGとする寺もありますが、これは文化財保護のためですからしかたありませんよね。また、留守なのに鍵もかけず本堂の扉が開いていた所もありました。無用心というか参拝者に悪い人はいないとの気持ちからなのでしょうか。この浮世には寺の物を失敬する輩もいますが(あるお寺では庭の灰皿を持っていかれてしまったとか)、そんな罰当たりなこと、決してしてはいけませんよ。
北信濃十三仏霊場 第五番 龍燈山 清水寺 「地蔵菩薩」
ご本尊の千手観音は重要文化財で収蔵庫におられます。その隣に立つお地蔵さまともども写真撮影禁止です。金箔をケチったのか、モザイク状に貼られていました。
北信濃十三仏霊場 第六番 龍潭山 明徳寺 「弥勒菩薩」
松代の民話
酒飲み弥勒さん−お小僧に化けて酒を買いに−
こがらしの吹くある日の夕方、中町の酒屋へ「明徳寺です。お酒を一升ください。」とひとりのお小僧がやってきました。「うちの和尚さんとってもお酒好きなんです。」そして毎晩毎晩やって来ました。年の暮れに、寺へ代金を受け取りに行くと「酒代? わたしは酒は飲まんよ。小僧なんていないよ。」酒屋は代金をとれずじまいで、ぷんぷん怒りながら家へ帰りました。ところがその日の夕方、例の小僧がまたやってきたのでつかまえて柱にしばりつけてしまいました。翌朝、逃げ出した足跡を追って明徳寺の弥勒堂をつきとめ、開けて見たところ弥勒さんがなわでしばられて、酒の匂いをぷーんと漂わせておりました。松代地区市制百周年記念事業実行委員会