米子不動尊奥の院
米子の滝に向かって車を走らせていたのですが、大笹街道から亀倉に入ったあたりで、ばしゃばしゃと音を立てて雨が降ってきました。どうしよう……。交差点で悩む私たちを、通りがかりのおじさんが後押ししてくれました。「行けるところまで行ってみて、ダメだったら帰ってくればいいさ」。おじさん的に「ダメだったら」というのは、どうも土砂崩れを想定しているみたいなんです。雨ぐらいでひるんじゃダメですね。
亀倉から米子の滝までは11km。いざとなったら、バックで下りてくるのかなあと思いつつ、途中、小さな落石に乗り上げたりしながら、なんとか米子大瀑布の駐車場にたどり着きました。意外なことに、駐車場には20台ぐらいの先客がいて、家族連れが多くいました。さすが観光地です。売店でおばちゃん手作りのにらせんべいを買い、滝のパンフレットをいただきました。
ここから滝まで800mです。山道をすれ違うとき、8割方が「こんにちは」とあいさつします。あいさつしない人がいたら、たぶん登山経験のない人なのでしょう。それにしても、傘をささずに濡れたまま歩く人の多いこと。
レンゲショウマ
ヤグルマソウ(花季は6~7月)
名勝 米子の瀑布
米子の瀑布とは、不動滝(右)と権現滝(左)、その他の滝の総称である。不動滝の高さは85m、滝口4.5m、権現滝は高さ75m、滝口5mで、いずれも国立公園中他に比類のない雄大なものである。水源は四阿山に発し、流下して米子川となる。米子不動尊が祀られ、また、野生の動物が数多く棲息している。
葉が生い茂っているからなのか、ここから滝を望むことはできませんでした。
カラマツソウ
現代的なお不動さんがいました。
そばには小さな滝があり、線彫りのお不動さんもいました。
米子不動寺奥の院
米子不動寺奥の院の創建年代はわかりませんが、現在のお堂は文化7年に再建されたものです。今日でも6月14日にお山登り、9月14日にお山下りの祭事が行なわれております。この不動尊は、長野県の北信地方から新潟県、群馬県と広く信仰され、今得も多くの参詣者があります。(須坂市観光協会)
瀧山不動尊とあります。瀧がご神体だそうです。
お堂の中は、何か飾りはあるけれど、その奥はよく見えません。
米子瀧山不動尊信仰は、近くの妙徳山における白山信仰、奇妙山における念仏信仰、菅平四阿山における熊野信仰を生んだ中世の山岳修験道によって発生してきたもので、念仏行者但唱上人、その弟子と言われる閑昌上人の念仏行と深くかかわっています。
当寺では「御瀧」自体を御神体として崇めております。
「不動瀧」・・・不動とは不動明王そのもののことです。
「権現瀧」・・・権現とは仏、菩薩が衆生救済のために神として、この世に化現することです。
不動瀧は古くから修験者の「みそぎの場」として知られ、夏には瀧に打たれる白衣の行者の姿も見られます。不動寺開山の地であり、心身を鍛える山岳修行の地です。
但唱は毎朝滝に打たれてから、作仏に専念したという話があります。
ちなみに、去年、里宮に行ったときの記事はこちら。
いよいよ米子の滝です。
米子大瀑布
四阿火山の山頂部は、根子岳、四阿山、浦倉山、奇妙山を外輪山としたカルデラです。このカルデラの板状、柱状節理の断崖に懸かっている滝は
右 不動滝 高さ85m 滝口4.5m
左 権現滝 高さ75m 滝口5m
その景観は絶景で米子不動信仰の行場となっております。