京の宿坊に泊まる 「妙顕寺」

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 正しくは「具足山 四海唱導 妙顕寺」

 鎌倉時代後期、元享元年(1321)に創建された京都における日蓮宗最初の寺院日蓮宗の祖日蓮大聖人の孫弟子に当たる日像上人により建立。後醍醐天皇より法華経布教の勅旨を賜り、以来門下屈指の勅願寺として栄え「四海唱導」とも称された由緒正しきお寺の宿坊が今夜のお宿。

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 日蓮宗に馴染みはないが、思っていた以上に見どころのある寺であった。約一万坪ある境内、堂宇だけでも六千坪、周囲には九つの塔頭寺院。

 宿坊は離れにあり、6畳・4畳・3畳の三室。現在は素泊まり女性のみとなっている。外から鍵はかけられないが、どうやら今夜の宿泊客は私一人のようで、なーんにも気にならない。何もない(TVもラジオももちろんwifiも)、何もしない、ただ一輪の花がお・も・て・な・し

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6畳一間に「夢」一文字の色紙、一輪の花、それだけでいい。

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 「妙顕寺」の印の入った俵屋吉富の茶請けがあれば、それでいい。

 翌朝6時。

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  お楽しみの朝のお勤め。「南無妙法蓮華経」の「十界曼荼羅」がいわゆる御本尊にあたる、らしい。煌びやかな堂内。

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 天蓋も煌びやか。天井絵は様々な家紋。これは初めて見た。

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 増長天広目天

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 白象に乗る「普賢菩薩」と獅子に乗る「文殊菩薩」。

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 と、お坊さんが座るぐるぐる茣蓙。

 やはり宿泊客は私一人だったが、この一人のために法話を聞かせてもらった。しかも昨日の宿坊の案内をしてくれたお坊さんが住職だったようだ。季節に合わせて「躑躅ツツジ)」を主題としたお話をして下さった。ありがたや。

 

 庭園拝観

 先ずは貴人を迎える勅使門に面した「四海唱導の庭」

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 何やら意味ありげな石組。仏教でいう「四海」とは「須弥山(しゅみせん・世界の中心にそびえ立つという高山)」を取り巻く四方の外海。ということはこの塊が「須弥山」ということか。

 

 続いて当山の信徒であった尾形光琳墓所がある)の絵図になぞらえた光琳曲水の庭」

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 そっとアヤメが咲いていた。

 

 も一つ「孟宗竹の坪庭」

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  そうか、昨夜は暗くてわからなかったけど、宿坊の部屋の窓から見える景色は「光琳曲水の庭」の裏面だったのか。

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 宿坊のある離れに通じる渡り廊下。

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 何もない、とはいえ共同で使えるキッチン付き。鍋も食器も揃ってます。

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 共同の風呂場にはこれでもかという位の数のシャンプー類。蛇口3っつにこのセットが二つ並べられていました。

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 廊下の上に「籠」。

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  大玄関。08:50、チェックアウト。お世話になりました。